☆中学受験率が昨年の過去最高値をさらに更新!!
今年の近畿二府四県の統一入試開始日(1月17日)の午前の受験者数は17,850人で昨年より267人増加しました。実数として4年連続の増加は2000年以降初めてのことです。
今年度の小学6年生の児童数は163,795人で昨年より3,330人減少していますが、2026年入試の中学受験率は昨年の10.52%から跳ね上がり、10.90%に上昇。昨年記録した最高値をさらに更新しました。
昨年受験生が約500人増加した大阪は、2026年入試においてもさらに約100人増加しました。高校授業料無償化、大阪市内への高所得層の人口流入などの背景もあり、今後もこの傾向は続くことが予想されます。他の地域では、昨年減少の兵庫、奈良で約50人の増加、京都は横ばいとなりました。
全体としては267人増加しましたが、中堅レベルの学校に集中して増加していることが2026年入試の特徴となっています。私学志向が急速に高まる中、小学校高学年になってから私立中学進学を決断するケースが増えたことが要因と思われます。
2026年入試の総志願者数は67,542で昨年より2,065増加しています。これにより一人あたりの平均出願数は3.78(昨年は3.72)となりました。増加した要因は主に受験者数の増加によるものですが、中堅レベルの学校で志願者が増加したことによる難化の影響で後期日程の出願数が増えたこともあげられます。
日程別の入試回数は、大きな変化はなく午後入試が前半に集中することもあり、初日と二日目の入試回数は全体の約72%となっています。関西エリアでは全体として一週間近く続く入試日程ですが、実質2日間の超短期決戦の入試に変わりはありません。

☆入試動向(2025年入試からの変化)
―難関進学校で減少傾向―
全国最難関の灘の志願者数は693人で、昨年から50人減となりました。志願者数が700人を割るのは2022年以来、4年ぶりのことです。実質倍率は2.43倍に落ち着き、難度はやや易化したと思われます。志願者数を地域別で見ると、首都圏からの志願者が増加しており、過去最高の188人(昨年は163人)に、その他の関西圏以外の地域が横ばいとなり、関西圏での減少が目立つ入試となりました。
男子難関校の志願者状況を昨年対比で見ると、洛星前期(67人減)、甲陽学院(10人増)、大阪星光学院(38人減)、東大寺学園(110人減)と、やや大きい数字の減少が目立ちます。
女子難関校では、神戸女学院(35人減)、四天王寺(28人増)、共学難関校では洛南高校附属(29人減)、西大和学園(131人減)となりました。
一部を除き、難関進学校で志願者数が減少している状況を安全志向と見るか難関校離れと見るか、その判断は単年では難しく、2027年入試に注目することになります。
2017年から8年連続で志願者数が増え続け、それに伴った難化によって2025年入試で難関校の仲間入りを果たした高槻。2026年入試ではその反動が大きく、共学化以降初めて昨対で志願者数が減少し、A日程で650人(90人減)、B日程で1,201人(298人減)となりました。ただしB日程に関しては難関進学校全体の減少が影響していると思われます。
―関関同立の系列校人気は高止まり―
中学受験率の上昇とともに大学附属校の人気は右肩上がりとなり、ここ数年は微増と横ばいを繰り返し高止まりの状態となっています。2026年入試の統一入試開始日午前(前期入試実施日)の関関同立系列の附属校11校の志願者数は合計で3,450人(53人増)となり同じ状況が続いています。
この中で昨年より大きく志願者数を増やしたのは、男女比が撤廃された関西学院(38人増)、昨年の減少から復活した立命館(48人増)、東海地区でも人気の同志社(32人増)でした。
―共学進学校に人気集中―
2026年入試で最も志願者が増えたのが、従来は上位校の併願校であった共学の進学校で、2025年からの傾向がより強くなった印象です。特に、統一入試開始日午前(前期入試実施日午前)の入試で大きく志願者数を増やしています。
大阪の開明(69人増)、金蘭千里(24人増)、箕面自由学園(33人増)、兵庫の滝川第二(27人増)、三田学園(51人増)、京都の京都橘(23人増)、奈良の帝塚山(45人増)が志願者の増加とともに難化した学校です。これらの学校に見られる共通点は、「主体的な学びの実践」・「体験重視のスタンス」・「バランスのとれた教育」が挙げられ、2027年入試でも注目されます。
☆今後の入試にむけて
2027年入試については、2026年入試とかなり状況が変わると予想しています。
今年の受験生の学年は前で述べているように、高学年になってから私立中学進学を決断するケースが多かったため、中堅校に集中して志願者数が増えました。今後しばらくは私学志向の高さは変わりませんが、3年生や4年生から受験準備に入るケースも増えているので、2027年入試については中堅レベルから上位校まで幅広く人気が広がるとみています。また、2026年入試で志願者数が大きく減少した難関校では、どの程度の反動が出るのかに注目しています。
近年は共学化や新コース制、入試日程の変更などの動きが活発なので、学校が発信する情報には十分注意しましょう。
| PROFILE | 森永直樹(もりなが・なおき) |
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日能研関西 取締役 教室長、進学情報室室長、教室統括部長などを経て2017年より現職。 生徒への指導や保護者へのアドバイスを行うほか、私学教育、中学受験に関する講演などでも活躍。 |