受験に役立つコラム

「私立中学校の説明会」の活用法

2021年7月19日
執筆:日能研関西 進学情報室 室長 森永 直樹氏

●幅広く学校を見て、「この学校!」と出会おう

 大学入試の形態が変わるのはご存知の通りですが、同様に私立中高一貫校もさまざまな改革を加速させています。ただ、そのことで私学の教育が大きく変わることはありません。なぜなら、これまでも時代の変化や要請をいち早く感知し、改革を重ねながらも、「建学の精神」や「教育理念」といった、各校の不変の教育哲学に沿った形で教育を展開してきたのが私学だからです。

 その揺るぎない教育哲学の下、私学は成長しつづけているのです。そのため、同じ学校でも短期間で様変わりする場合もあり、保護者の方は驚かれるかもしれません。ですから先入観をもたず、学校の今を見てください。そして、気になる学校には複数回訪問し、好きな学校を見つけていただきたいと思います。

 私学には、男子校・女子校・共学校、また進学校・大学付属校などの分類がありますが、最初は限定せずに幅広く見たいものです。何か一つでも惹かれるものを感じたら、少し遠い学校でも選択肢からははずさずに、「何に惹かれるのか」を確認しに足を運んでください。そうすることで、ご家庭の教育方針を改めて確認でき、お子さまに本当に合う学校と出会えると思います。

 

●より多くの学校を知るには、合同説明会へ!

 中学受験の準備は数多くの学校を知り、興味を惹かれる学校を見つけることから始まります。すでに関心のある学校がある場合は「子どもにはこう育ってほしい」というご家庭の考えと、その学校の教育方針に一致するところがあるのだと思います。

 でも、「私学には興味があるけれど、惹かれる学校もまだないし、どんな学校から訪問すればよいのかわからない」場合やもっと多くの私学を知りたい場合などには、「合同説明会」が有効です。

 合同説明会には多くの私学が集合するものや、地域や宗教など共通のテーマを設けて開催するもの、体験型イベントとして開催するものなど、さまざまな種類があります。そこでは一度に数多くの私学の資料を集めたり、参加校のブースで学校の先生に直接質問することもできます。

 合同説明会で興味を惹かれる学校と出会えたら、次はその学校で個別に開催される説明会に足をお運びください。

●説明会への参加から志望校選びがスタート

 私学では「どのような教育が展開されているの?」「学校によってどのような違いがあるの?」「その中から、わが家にとって最良の学校を見つけるにはどうしたらいいの?」など、知りたいことはたくさんあります。

 学校説明会では校長先生が教育方針を、先生方が指導内容や大学合格実績を、また在校生が学校生活について語ることが多いですが、その学校の日常の姿にふれることは、ご家庭の雰囲気と合うかどうかを確認する貴重な機会になります。最初は学校種別や地域にとらわれず、なるべく幅広くご参加ください。

 説明会のほかに、各校とも自校を知ってもらう機会として受験生が授業やクラブ活動を体験できるオープンスクールなど、趣向を凝らした公開行事を豊富に用意しています。なるべく数多くの機会を活用してください。

 ただし、新型コロナウィルスの影響があるため、開催日時についてはご注意ください。この状況が早く終息し、安心してご参加いただけることを願っています。

 

 

PROFILE 森永直樹(もりなが・なおき)

日能研関西 取締役。教室長、進学情報室室長、教室統括部長などを経て2017年より現職。生徒への指導や保護者へのアドバイスを行うほか、私学教育、中学受験に関する講演などでも活躍。

 

 

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